新版 セラピストの技法 システムズアプローチをマスターする 2019 日本評論社
ブリーフセラピーや家族療法の世界では、知らない人はいないと言っても過言ではない東先生の著書。1997年に出版された「セラピストの技法」の新版である。
共通する事例はあるものの、全く別の本として読めるほど、新しい内容が加わっている。
初版のセラピスト技法を読んだ人も、新鮮に読める。
まず第1部3章には、大学院生の事例研究に対する東先生のコメントが載っており、そこからは東先生のものの見方がダイレクトに伝わってくる。自らの姿勢を振り返る際に、何度でも読み返したい章である。
また、第2部4章の夫婦面接の事例については、同じ夫婦に対するK氏とH氏のそれぞれの面接逐語録が乗っており、面接の違いを比較しながら読み進めていくことができた。この章を読むとミルトン・エリクソンの「治療に抵抗するクライエントはいない。柔軟性にかけるセラピストがいるだけだ」が思い出され、まさにその言葉の意味をよく分からせてくれる内容になっている。
第3部9~11章では、P循環療法について書いてあり、一部、一見怪しい介入方法にみえなくもないが、文脈の大切さや柔軟な姿勢・ものの見方を学ぶことができた。
ミルトン・エリクソン(Wikipedia)
第3部9~11章では、P循環療法について書いてあり、一部、一見怪しい介入方法にみえなくもないが、文脈の大切さや柔軟な姿勢・ものの見方を学ぶことができた。
ミルトン・エリクソン(Wikipedia)